人生を考えるヒント

木原 武一 (著)「人生を考えるヒント―ニーチェの言葉から」(新潮選書)

「大人のための偉人伝」(No.15で紹介)の木原武一氏が、ニーチェ(1844-1900)の言葉を通じて人生を生きる智慧を語ったものです。

ニーチェの哲学は難解で、ニーチェ自身も激しい頭痛などの持病を抱えて孤独のなかに生きたというイメージがあります。

そのようなニーチェ像は、この本を読むとかなり変わると思います。

著者はニーチェの著作から70以上の箴言を引用し、あわせて他の人物の言葉も紹介しながら、人生をよりよく生きるためのヒントを探っています。

「親切な記憶 ― 人の上に立つ者は、個人のあるとあらゆる美点を心に書き留め、それ以外のことは消すという、親切な記憶を身につけるといい。自分自身についても同様でありたい。『曙光』」(記憶の持ちよう より)

「人間が復讐心から解放されること、これこそ、私にとっては最高の希望への架け橋、長い嵐のあとの虹である。『ツァラトゥストラかく語りき』」(ルサンチマン より)

「隣人を自分自身とおなじように愛するのもいいだろう。だが、何よりもまず自分自身を愛する者となれ。『ツァラトゥストラかく語りき』」(隣人愛よりも大切なこと より)

このようなニーチェの言葉が、木原氏の血の通った解釈によって生き生きと響きます。

(2007年12月17日)

コメントを残す