経営戦略,マーケティング,IT活用のトータルコンサルタント アオヌマ経営情報研究所 青沼泰彦



経営用語集【利益貢献度分析】


利益貢献度分析
売上高や総利益率に加えて,在庫高が把握できれば,商品や部門ごとの「交差比率 」や「貢献比率」を計算して,どの部門が利益に貢献しているのか,総合的に分析することが可能になる.

【分析方法】
売上高,売上総利益高,在庫高などのデータを準備し,下記の数値を算出する.
・商品回転率・・・在庫が1年間で「何回転」して売上を作っているかを示す.
  生鮮食品などは高く,衣料品・専門品などは低くなる傾向がある.
  (在庫高を原価で計算した場合は,厳密にはGMROI(商品投下資本粗利益率)という用語を使う)
 商品回転率(F)= 売上高(A) ÷ 在庫高(E)

・交差比率・・・売上総利益率と商品回転率を掛け合わせた比率.「交叉比率」とも書く .
  商品の利益率が高く,回転(動き)も速いほうが数値は高くなる.
 交差比率(G)= 売上総利益率(D)(%) × 商品回転率(F)

・貢献比率・・・交差比率に各商品(部門)の売上構成比を乗じた比率.
  売上構成比・売上総利益率・商品回転率を総合した指標である.
 貢献比率(H)= 交差比率(G) × 売上構成比(B)

・貢献度・・・各商品(部門)の貢献比率が寄与する割合である.
 貢献度(I)= 貢献比率(H) ÷ 貢献比率の合計(Hの合計)

利益貢献度の分析表(例)

部門
売上高(A)
売上高構成比(B)
売上総利益額(C)
売上総利益率(D)
在庫高(E)
商品回転率(F)
交差比率(G)
貢献比率(H)
貢献度(I)
加工食品
20,000
28.6%
4,500
22.5%
2,000
10.0
225.0
64.3
17.2%
青果
10,000
14.3%
2,500
25.0%
150
66.7
1.666.7
238.1
63.8
酒類
10,000
14.3%
2,000
20.0%
1,000
10.0
200.0
28.6
7.7%
たばこ
5,000
7.1%
500
10.0%
500
10.0
100.0
7.1
1.9%
雑貨
15,000
21.4%
3,750
25.0%
3,000
5.0
125.0
26.8
7.2%
衣料品
10,000
14.3%
3,000
30.0%
5,000
2.0
60.0
8.6
2.3%
合計
70,000
100.0%
16,250
23.2%
11,650
6.0
139.5
373.5
100.0%
注:
売上高・売上総利益額・在庫高の単位は千円
交差比率は慣例として,%表示の総利益率に回転率を掛けた表示としている
交差比率は,交差比率に小数点表示の売上構成比を掛けた表示としている


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