経営戦略,マーケティング,IT活用のトータルコンサルタント アオヌマ経営情報研究所 青沼泰彦
経営用語集【STP】
STP
マーケティングプロセスにおいて,市場を定めて競争優位の地位を獲得するための戦略。
セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったもので,
F.コトラーが提唱した.
【STPの内容】
- S:セグメンテーション…市場細分化.市場に存在する不特定多数の消費者を、同じニーズやウォンツ 、性質を持つ固まり(セグメント)に分けること。
細分化に当たっては、次のような変数で分類する。
・地理的変数・・・国・地域や、都市化の進展度、文化・宗教など
・人口動態変数・・・年齢、性別、職業、所得、学歴、家族構成など
・心理的変数・・・ライフスタイルや価値観など
・行動変数・・・購買状況や使用頻度、購買動機、購買パターンなど
これらの変数のなかから、商品やサービスに応じて、さまざまな変数を単独で選んだり組み合わせたりして細分化を行う。
セグメントに、より詳細な特性を付加して「典型的な顧客像(ペルソナ)」を仮定する手法もある(ペルソナマーケティング).
- T:ターゲティング…細分化したセグメントのなかから、自社の事業および製品にとって最適なセグメントを決めること
ターゲティングは、どのような市場戦略を選ぶかによって変わってくる
・非差別化型戦略
市場を一つのものとして把握し、一つの製品によって対応する。
できる限り幅広い消費者に向けた製品を作り、メディアを活用した大量広告を実施する。同質的な製品に適している。
・差別化型戦略
いくつかのセグメントに向けたいくつかの製品を設計し販売する。
製品の多様化による売上増が期待されるが、開発・製造・広告などのコストは増加する。多様性に富む製品に適している。
・集中化戦略
特定のセグメントに絞り、大きなシェアの獲得を狙う。
セグメントの選択が正しければ強いポジションを得られるが、市場環境の変化によるリスクも高い。
市場戦略が決まったら、セグメントに関するデータを収集し、また自社の経営資源(強みや弱み)がどのセグメントに適しているかを検討したうえで、ターゲットを決定する。
- P:ポジショニング…市場セグメントにおいて、自社がどのようなポジションを占めたいのかを決めること
ポジショニングにあたっては以下の視点から、競争優位を得られるポジショニングを決定する
・製品の特性(機能、性能、品質、価格などの違い)
・使用者の性別、年代、嗜好、ライフスタイルなどの違いや、充足させるニーズ
・使用される状況(季節・時間・場所などの消費シーンの違い)
・競合品と真っ向から比較する、あるいは競合品から異なることを強調する