このページでわかること
- VRIO分析とは
- 4つの評価の視点
- 企業の「真の強み」の見極め方
- 具体的な評価の例
- 中小企業での活用方法
定義
企業の経営資源や特徴を,
経済的価値、稀少性、模倣困難性、組織の要素で評価し、
「真の強み」を見極めるための分析手法。
経営資源論(RBV:Resource Based View)の重要な考え方であり、
B.ワーナーフェルトの「資源ベースの企業見通し」(1984)や、
C.K. プラハラード&G. ハメル「コア・コンピタンス」(1990)を発展させ、
1995年にジェイ・バーニーによってまとめられた。
経営資源論は、企業の競争優位は外部環境だけでなく、
企業内部の資源や能力によって生まれるという考え方。
4つの要素
SWOT分析などで企業の「強み」としてあげられた要素を,
下記の4つの問いによって評価し,
それらが競争優位を生み真の強み(Core Competence)であるかを判断する。
Core Competence(コア・コンピタンス)とは、
競争優位の源泉となる企業固有の強みを指す。
- 経済的な価値(Value)をもたらすか
その企業の経営資源や組織能力は,
その企業が外部環境における脅威を無力化することができるか?
あるいは機会を捉えることができるか? - 稀少であるか(Rarity)
その経営資源を現在コントロールしているのは,
ごく少数の競合企業か? - 模倣が困難か(Imitability)
その経営資源を保有していない企業は,
その経営資源を獲得あるいは開発する際にコスト上の不利に直面するか?
(※文法的に正しい英語表現は”Inimitability”だが、VRIOフレームワークの構成要素名としては”Imitability”が使われる) - 組織(Organization)に根付いているか
上記の資源を活用するために,
組織的な方針や手続きが整っているか?
VRIOによる競争優位の判定
4つの要素で評価し、当てはまるものが多いほど、競争優位性につながり、真の強みといえる。
VRIOの評価結果は、次のように競争優位の段階として整理できる。
| Value | Rarity | Imitability | Organization | 競争状態 | 強み/弱み |
|---|---|---|---|---|---|
| × | – | – | – | 競争劣位 | 弱み |
| ○ | × | – | – | 競争均衡 | 強み |
| ○ | ○ | × | – | 一時的競争優位 | 強みであり固有の コンピタンス |
| ○ | ○ | ○ | ○ | 持続的競争優位 | 強みであり持続可能な 固有のコンピタンス |
強みと考えていることを、この4要素に照らし合わせて評価し、
当てはまる要素が多いほど、真の強みと評価できる。
評価の具体例①
地域製造業の「特殊加工技術」と「地域ブランド力」を評価する場合
| 経営資源 | Value | Rarity | Imitability | Organization | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特殊加工技術 | ○ | ○ | ○ | △ | 一時的競争優位 |
| 地域ブランド力 | ○ | △ | △ | ○ | 競争均衡 |
評価の具体例②
小売業のサービス力を評価する場合
| 経営資源 | Value | Rarity | Imitability | Organization | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一部従業員の 接客力が高い |
○ | ○ | △ | × | 一時的競争優位 |
| 全社員が高いレベルの 接客力を提供 |
○ | ○ | ○ | ○ | 持続的競争優位 |
注意点
よくある誤りとして、強みを主観的に評価してしまうことがある。
顧客視点や競合比較を行わない場合、誤った戦略につながる可能性がある。
売上高・利益率・市場シェアなど定量的な評価や、同業他社との比較を行って、
客観的に評価することが重要である。
経営支援における活用方法
VRIO分析で特定した真の強みは、戦略マップや経営改善計画の策定にも活用される。
SWOT分析などで抽出された「強み」の中から、
競争優位につながる「真の強み」を見つけ出すとともに、
不足している要素を強化するための「戦略」や「具体的改善策」を立案する際に使われる。
経営支援におけるVRIOフレームワークの位置づけについては、
経営支援の内容
→現状整理→構造理解のページで順を追って説明しています。
当研究所では、SWOT分析の精度を高めるため、
強みと考えている要素をVRIOフレームワークで検証しています。
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