経営戦略,マーケティング,IT活用のトータルコンサルタント アオヌマ経営情報研究所 青沼泰彦
経営用語集【VRIOフレームワーク】
VRIOフレームワーク
J・B・バーニーが,企業の「真の強み」を見極めるための手法として提唱した考え方.
Gaining and Sustaining Competitive Advantage(邦訳『企業戦略論 上・中・下』ダイヤモンド社(2003年)).
真の強みとは
企業の経営資源や特徴を,経済的価値(Value),稀少性(Rarity),模倣困難性(Inimitability),組織(Organization)の観点から評価し,「真の強み(Core Competence)」を見極めるための手法である.
(模倣困難性(Inimitability)を模倣可能性(Imitability)と記述しているテキストも多い)
【分析方法】
SWOT分析などで企業の「強み」としてあげられた要素を,下記の問いによって(Yes・No)で評価し,それらが真の強みかどうかを確かめる.
- 経済的な価値(Value)をもたらすか
その企業の経営資源や組織能力は,その企業が外部環境における脅威を無力化することができるか?あるいは機会を捉えることができるか?
- 稀少であるか(Rarity)
その経営資源を現在コントロールしているのは,ごく少数の競合企業か?
- 模倣が困難か(Inimitability)
その経営資源を保有していない企業は,その経営資源を獲得あるいは開発する際にコスト上の不利に直面するか?
- ・組織(Organization)に根付いているか
上記の資源を活用するために,組織的な方針や手続きが整っているか?
表1 VRIOフレームワークによる強みの分析
強みや特徴(例)
経済的価値
(Value)
稀少性
(Rarity)
模倣困難性
(Inimitability)
組織
(Organization)
競争優位性
強み/弱み
店舗の立地が良い
Yes
No
-
-
競争均衡
強み
優れた接客サービスの
従業員がいる
Yes
Yes
No
-
一時的
競争優位
強みであり固有の
コンピタンス
全社員が高いレベルの
接客サービスを提供できる
Yes
Yes
Yes
Yes
持続的
競争優位
強みであり持続可能な
固有のコンピタンス
【活用方法】
- SWOT分析などで抽出された「強み」の中から,「真の強み」に値する要素を見つけ出す
- 「真の強み」を活かして「市場機会」をとらえるための戦略を立案する