経営の現状整理

このページでは、

【経営支援の内容】ページでお伝えしている現状整理→構造理解→改善計画のプロセスのうち、

1番目の「現状整理」について、最初に行うヒアリングや、
経営分析の進め方、具体的な分析項目、整理の方法をご紹介します。

企業が直面している課題の解決や、経営目標達成のためには、
まず経営の現状を客観的に整理することが出発点となります。

現状整理では、じっくりとヒアリングを行うことから始め、
必要に応じて財務諸表や販売実績データ、経営指標なども用いながら、
経営の現状や課題を明確化します。

現状整理のプロセス

1.経営理念・経営ビジョン・経営課題の確認

経営に対する基本的な考え方、
将来のあるべき姿、
重点的に取り組んでいること・課題と認識していること、
などについて、お聞きします。

経営理念・経営ビジョン・経営戦略の関係は、 用語集】のページで解説しています。

2.経営環境(内部・外部環境)の確認

人材と組織・製品とサービス・資金調達・情報活用などの「内部環境」と、
顧客・市場、競合関係、自社に影響する社会経済要因などの「外部環境」について、
お聞きします。
必要に応じて、現場観察も行います。

内部環境:

人材と組織・製品とサービス・業務の仕組み・情報活用力など、
企業自体の経営資源や潜在能力です。
また、現場で起こっている諸問題、売上や利益の推移、経営計画と実績なども含まれます。

外部環境:

顧客・市場の動向、競合関係や業界動向、
自社に影響する社会経済要因などが含まれます。

ここまでのヒアリングで、
財務状況や、製品・サービスの販売動向に関する分析が必要と判断した場合には、
以下のプロセスに進みます。

3.財務分析・販売分析の実施

決算書を元にした財務分析と、販売データを元にした販売分析を行います。

分析項目については、すべてを網羅的に行うのではなく、
ヒアリングを通じて必要と思われる項目を選んで実施します。

①財務分析

財務分析では、
収益性・効率性・生産性・安全性・成長性などの観点から、
経営比率を算出し、経営指標に照らし合わせて、
特徴を明らかにします。
個別の数値の良し悪しではなく、
財務構造の特徴を把握することが目的です。

ここまでのヒアリングで、財務状況や製品・サービスの販売動向に関する分析が必要と判断した場合には、以下のプロセスに進みます。

3.財務分析・販売分析の実施

決算書を元にした財務分析と、販売データを元にした販売分析を行います。

それぞれの分析項目については、すべてを網羅的に行うのではなく、ヒアリングを通じて必要と思われる項目を選んで実施します。

①財務分析

財務分析では、収益性・効率性・生産性・安全性・成長性などの観点から、50~60項目程度の経営比率を算出し、経営指標に照らし合わせて特徴を明らかにします。
個別の数値の良し悪しではなく、
経営全体の歪みや偏りを把握するために、幅広く確認します。

主な経営比率

  • ROA(経営資本営業利益率)

    事業構造を端的に示す指標です
  • 収益性に関する比率
    • 売上高総利益率
    • 売上高営業利益率
  • 効率性に関する比率
    • 総資本回転率
    • 固定資産回転率
  • 生産性に関する比率
    • 従業員1人当たり売上高
    • 1時間当たり付加価値額
  • 安全性に関する比率
    • 流動比率
    • 固定長期適合率
    • 手元現金預金比率
  • 成長性に関する比率
    • 売上高増減率
    • 総資産増減率

これらの分析を通じて、数値の良し悪しを見るだけではなく、

どの数値とどの数値が関係しているか、

財務構造の全体像とバランスはどうか、といった点を明確にします。

②販売分析

次に、製品・サービス別の販売実績データを元に、販売分析を行います。
財務分析に表れた売上・利益などの数値は、販売活動の結果です。

販売分析では、年間の季節変動や、
製品・サービス別の利益貢献度などを明らかにします。

主な分析手法

  • 年間の売上変動の把握
    • 季節変動指数分析
    • Zチャート分析
  • 製品・サービス別の分析
    • ABC分析
    • 相乗積分析
    • 利益貢献度分析

4.内部環境・外部環境の取りまとめ

企業の内部環境については、強み・弱みに分けて整理します。

①強み・弱みの整理(内部環境分析)

経営の状況や経営資源に関するヒアリングから見えてきた自社の姿(内部環境)を、「強み」「弱み」として整理します。

  • 強み:企業の経済価値や,そして場合によっては競争優位を創出する経営資源
  • 弱み:強みがもたらす経済価値の実現を困難にする,もしくは経済価値を減じてしまうような経営資源

「強み」「弱み」の多くは、「人材・組織」「製品・サービス」「資金調達・運用」「情報・ノウハウ」などの経営資源に関する要素です。
「強み」と考える要素については、以下の視点から「真の強み」かどうかを検証することが大切です。

強みとしてあげた項目を、次の4つの視点から評価します。
当てはまる要素が多いほど、
持続的な競争優位につながる「真の強み(コア・コンピタンス)」といえます。

  • 「経済価値」を生んでいるか
  • 「希少なものか(他社も有するようなありふれたものではないか)」
  • 「模倣が困難か(他社が簡単にまねできないか)」
  • 「組織化されているか(自社の仕組みとして根付いているか)」

この検証の手法は、VRIOフレームワークに則ったものです。
VRIOフレームワークについては、 【用語集】のページで詳しく解説しています。

②機会・脅威の整理(外部環境分析)

顧客・市場、競合関係、自社に影響する社会経済要因など、経営を取り巻く環境要因については、「機会」「脅威」として整理します。

  • 機会:企業の競争優位や経済的パフォーマンスを向上させるチャンス
  • 脅威:企業の競争優位や経済的パフォーマンスを減殺する働きをするもの

個々の分析手法の考え方・計算例については、 【用語集】のページで詳しく解説しています。

このような内部環境・外部環境の整理の手法は、SWOT分析に則ったものです。

これらの分析を通じて経営の現状整理を行い、
次のプロセスである【構造理解】に展開します。



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