このページでは、
【経営支援の内容】ページでお伝えしている現状整理→構造理解→改善計画のプロセスのうち、
1番目の「現状整理」について具体的に説明します。
経営目標の実現や、経営課題達成のための改善計画は、
全体の方向性が明確でまとまりがあり、
しかも製造や販売の現場に適用できる具体的な内容であることが重要です。
抽出された課題を、実際に動ける計画へ落とし込む段階が「改善計画」です。
「改善計画(アクションプラン)」は次の手順で策定します。
改善の方針と道筋の明確化
現状分析と構造理解で明らかになった課題を、
「重点的に取り組むべきテーマ」=「戦略課題」として再定義し、
目標達成までの道筋を明確にします。
戦略課題を定義する
戦略課題とは、経営の「現状」と「あるべき姿」のギャップを埋めるために、
「なすべきことは何か」を表現したものです。
一例として、「構造理解」のプロセスでは、次のような課題が抽出されていました。
- 「特定製品の仕入・在庫計画に問題があるため、在庫が過剰になっている」
- 「必要以上に在庫資金が投入されていることが、資金繰りの厳しさにつながっている」
この例を、「戦略課題」の表現として再定義すると次のようになります。
戦略課題は、
「〇〇〇により(手段)」→「〇〇〇を改善・達成する(目標)」
という表現が適切です。
- 「製品別に売上計画と合致した仕入・在庫計画を策定することにより、適正な在庫投資を行うことで資金繰りに余裕を持たせる」
目標達成までのシナリオを作る
「戦略課題」の解決が、どのようにして経営目標達成につながるかという道筋・シナリオを、「戦略マップ」などの形でまとめます。
戦略マップは、経営目標達成のための様々な課題や成功要因をまとめた「海図」のようなもので、「バランススコアカード」という戦略マネジメントツールの核となるものです。
「どの施策がどうつながって、経営目標=成果に至るのか」をイメージするために、非常に有効な手法です。
戦略課題について、「戦略目標」や「重要成功要因」を設定し、
それぞれの因果関係を整理して、
目標達成までのシナリオを「マップ」として示します。
上記の例について、目標達成までのシナリオを文章で表現すると次のようになります。
- (戦略目標)運転資金に余裕を持たせる
→(重要成功要因)無駄な在庫投資を抑え適正在庫を維持する(:財務の視点) - (戦略目標)売上計画に合わせた販売・仕入活動を実施する
→(重要成功要因)効率的な営業活動、仕入・在庫管理活動を行う(:顧客・市場の視点) - (戦略目標)売上・仕入・在庫計画を策定する
→(重要成功要因)各計画を管理するシステムを構築する(:業務プロセスの視点) - (戦略目標)売上・仕入・在庫計画の重要性を理解する
→(重要成功要因)各管理手法に関する基本的な知識の習得(:人材育成の視点)
1.から4.までは因果関係でつながっており、
- 1.「運転資金に余裕を持たせる」ためには、2.「売上計画に合わせた営業活動を実施する」必要がある
- 2.「売上計画に合わせた販売・仕入活動を実施する」ためには、3.「仕入・在庫計画を策定する」必要がある
- 3.「売上・仕入・在庫計画を策定する」ためには、4.「売上・仕入・在庫計画の重要性を理解する」必要がある
というように、「そのためには何をすべきか」という関係を示しています。
逆に、4.から順に見ていくと、
- 4.「売上・仕入・在庫計画の重要性を理解する」ことにより、3.「売上・仕入・在庫計画を策定する」ことができるようになる
- 3.「売上・仕入・在庫計画を策定する」ことにより、2.「売上計画に合わせた販売・仕入活動を実施する」ことができるようになる
- 2.「売上計画に合わせた販売・仕入活動を実施する」ことにより、1.「運転資金に余裕を持たせる」ことができるようになる
というように、「それによって何ができるようになるか」という関係を示しています。
「バランススコアカード」と「戦略マップ」の基本的な構造や図による例については、 【用語集】戦略マップのページで 図表を用いて詳しく解説していますので、 あわせてご覧ください。
改善計画(アクションプラン)の提案
戦略課題について、具体的な「改善計画(アクションプラン)」を検討し、提案します。
アクションプランについては、教科書的な改善策ではなく、
自社の戦略的視点から、
強みや経営資源(人材・設備・資金)の制約を踏まえたうえで、
「現場で実行できる改善策」の提案を重視しています。
上記の例について、
(戦略目標)→(重要成功要因)から展開すると、
次のようなアクションプランが考えられます。
- 1.(戦略目標)運転資金に余裕を持たせる
→(重要成功要因)無駄な在庫投資を抑え適正在庫を維持する
→(アクションプラン)- 月次試算表で、売上・仕入・在庫金額を確認する
- 計画との差異がある場合は、次月以降の計画を修正する
- 財務担当者と製造・営業担当者の定期的なミーティングを行う
- 2.(戦略目標)売上計画に合わせた販売・仕入活動を実施する
→(重要成功要因)効率的な営業活動、仕入・在庫管理活動を行う
→(アクションプラン)- 顧客ABCランクに合わせた営業(ルート設定、製品提案、価格設定など)
- 製品別売上計画を意識した顧客への製品提案を行う
- 適正在庫を意識した仕入活動を行う
- 3.(戦略目標)売上・仕入・在庫計画を策定する
→(重要成功要因)各計画を管理するシステムを構築する
→(アクションプラン)- 部署間が連携して、年度・月次の各計画を策定する
- 販売管理システムの活用(導入)、仕入・在庫管理システムの活用(導入)をはかる
- 各管理システムのデータ分析を実施する
- 4.(戦略目標)売上・仕入・在庫計画の重要性を理解する
→(重要成功要因)各管理手法に関する基本的な知識の習得
→(アクションプラン)- 販売管理や仕入在庫管理に関する社内・社外研修に参加する
- 担当者の管理知識やノウハウの棚卸を行う
このように、(戦略目標)→(重要成功要因)→(アクションプラン)とブレークダウンしていくことにより、やや抽象的な言葉を、現場レベルの言葉に翻訳します。
実行計画の策定と伴走支援
実行計画の策定
各アクションプランは現場で何を行うべきかを示したものであり、
- 誰が(担当部署・担当者)、
- いつからいつまで(実施期間)、
- どこまで(数値目標)、
行うか、という実行計画としてまとめます。
伴走支援
実行計画が成果につながるように、伴走支援を行います。
伴走支援は、
- 計画(Plan)
- 実行(Do)
- 検証(Check)
- 修正(Action)
という「PDCA」サイクルで回し、「絵に描いた餅」にならないように管理します。
そして、このPDCA管理のサイクルが社内に仕組みとして定着することを目指します。
改善計画の具体的な進め方をご紹介しました。
自社の状況に照らし合わせて整理したい方は、「明確にしたい方は、
[経営支援の内容]ページもご覧ください。
経営の現状整理から構造理解、改善に向けた検討までの全体の流れは、 以下のページで順にご紹介しています。

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