ザ・テクニカルライティング

高橋 昭男 (著)「ザ・テクニカルライティング―ビジネス・技術文章を書くためのツール」


出版されたのは1993年とやや古いものの、正しいビジネス文章・技術文章を書くための実践的で非常に役に立つ本です。
著者は「もっと良い日本語を書きたいという一心で」いろいろな文献を読み漁り、200万字に及ぶデータベースとして整理したとのことです。その資料を活かして生まれたのがこの本です。
内容はきわめて具体的、かつ実践的です。
・「技術文章では正確さと品位を必要条件とし、わかりやすさ、読みやすさを十分条件とする。」(技術文章の四大要素 より)
・「1文50文字以内に収める」(短い文章を書く より)
・「5時にならないと帰って来ません」というような、二重否定の文章は避ける(明確な文章に徹する より)
・「箇条書きの文章には、句点(。)を付けない。」(もっとスリムに より)
・「推定の文章はマニュアルでは使えない。」(日本語の特徴を活かす より)
他にも、形容詞や助詞の正しい使い方、同音/同訓語の使い分け、読点の付け方などについても、具体例をあげて詳細に説明されています。
報告書や日報、企画書やプレゼンテーション資料、電子メールなど、ビジネス文章を書くことは、仕事のなかでも大きな位置を占めています。
また製品のマニュアルなどは、誤解を生む記述があれば大きな問題を引き起こす恐れがあります。
このようにビジネス文章を書く機会は非常に多いのに、そのための体系的な教育を受けた覚えのある人はほとんどいないのではないでしょうか。。
一冊備えておいて時折目を通すだけでも、文章の品質が向上すると思います。

ザ・テクニカルライティング―ビジネス・技術文章を書くためのツール( 共立出版 単行本 – 1993/5/20)