借りのある人、貸しのある人

フランチェスコ アルベローニ(著),泉 典子 (翻訳)「借りのある人、貸しのある人」草思社

硬めの本が続いたので、今回はちょっと趣向を変えてみました。
イタリアの著名な社会学者でベストセラー作家でもあるフランチェスコ アルベローニによる人間性に関するエッセイ集です。
著者は様々なタイプの「人」について考察しています。その一部を紹介すると、
・自信を失わせる人
・精神が衰えない人
・新たな道を切り開く人
・すべてを明日に延ばす人
・再出発ができる人
といった見出しで、49タイプが紹介されています。
しかし、どのタイプが良い人で、どのタイプがダメな人か、といった人物鑑定的な読み方をされるのは著者の本意ではないはずです。
本書を何度か読み返すうちに、世の中には様々なタイプの人がいて、思考や行動がかくも違うものかという、人間の多様性に気づかされます。
自分がどのタイプに近いか考えてみることで、自己を見つめなおすきっかけにもなるでしょう。
また本書は、人生論としても傾聴に値する内容が多々含まれています。

「・・・どんな失敗も挫折も、私たちのすべてにかかわるものではない。それはあくまでも計画のひとつ、恋愛のひとつ、夢のひとつの挫折にすぎない。そして私たちは、たとえ自覚していなくても、計画だの希望だの以上の何かなのである(「失敗してもくじけない人」より)。」

つまり、計画がうまく行かなかったり、万一会社が潰れたとしても、くよくよすることはないよ、ということです。
(2007年7月25日 11:48) | 個別ページ | コメント(0)