デール・カーネギー (著),山口 博(訳)「人を動かす」(単行本)
デール・カーネギーの著書はこれで3冊目の紹介で、「道は開ける」とともにミリオンセラーを続けている代表作です。
「人を動かす」という書名には、処世術を説くハウ・ツー本のような響きを感じますが、内容はカーネギーの他の著作と同じように、数多くの人間研究から生まれた奥深いものです。ちなみに原題は、”How to Win Friends and Influence People” です。
内容は、人を動かす三原則、人に好かれる六原則、人を説得する十二原則、人を変える九原則という構成になっており、その一部を紹介すると次のようなものです。
「人を動かす三原則」
●原則1 批判も非難もしない。苦情もいわない。
●原則2 率直で、誠実な評価を与える。
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「人に好かれる六原則」
●原則1 誠実な関心を寄せる。
●原則2 笑顔で接する。
・・・
「人を説得する十二原則」
●原則1 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。
●原則2 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。
●原則3 自分の誤りをただちにこころよく認める。
・・・
「人を変える九原則」
●原則1 まずほめる。
●原則2 遠まわしに注意を与える。
●原則3 まず自分の誤りを話した後、注意を与える。
カーネギーが伝えたかったメッセージは、相手の人間性を尊重し、誠実に相対することがもっとも重要で、その姿勢が人を動かすということでしょう。
巻末には「幸福な家庭を作る七原則」が付されています。
カーネギーの他の著作とともに、座右に置いて読み返したい名著です。
(2007年12月13日)